保険料と標準報酬月額

保険料のしくみ

事業主と被保険者とで負担

国の歳費をまかなうためにいろいろな税金があるように、健康保険という事業も一定の財源がなければ、これを運営することはできません。若干の国庫負担金や預金の利子収入などはありますが、その財源の大部分は事業主と被保険者であるみなさんから納められる「保険料」でまかなわれています。

保険料は健康保険組合のいろいろな事業の費用だけではなく、後期高齢者医療制度への支援金や前期高齢者医療制度への納付金としても拠出され、健康保険組合相互の助け合いにも使われています。

保険料の計算方法

保険料は、「標準報酬月額」に「保険料率」を掛けて計算され、毎月徴収されます。同じく事業主も保険料を負担しています。

賞与についても年度の累計額573万円(千円未満を切り捨てた額)を標準賞与額の上限として、定められた保険料率を掛けた保険料が徴収されます。

保険料の種類と免除

健康保険の保険料には、一般保険料・介護保険料・調整保険料があります。各保険料は標準報酬月額および標準賞与額に保険料率を乗じて決められます。

一般保険料

一般保険料は、主に健康保険の給付を行なうために徴収されますが、後期高齢者支援金などを賄うための財源でもあります。一般保険料率は30/1000〜130/1000の範囲内で、組合の実情に応じて決めることになっています。事業主と被保険者の負担割合も、組合の実情により、自主的に決めることができます(原則は折半)。

介護保険料

介護保険に係る保険料で、医療保険に加入する40歳以上65歳未満の被保険者および被扶養者(ともに介護保険の第2号被保険者)の介護保険料は、健康保険組合などの各医療保険者が一般保険料と一括徴収し、社会保険診療報酬支払基金へ納付することになっています。これを介護給付費納付金といいます。健康保険組合の介護保険料率は、この介護給付費納付金を40歳以上65歳未満の被保険者、および特定被保険者(40歳以上65歳未満の被扶養者を有する40歳未満65歳以上の被保険者)の標準報酬総額で割って算出されます。

被扶養者についての介護保険料は、被保険者の保険料に含まれますので負担はありません。

各健康保険組合の介護保険料率と負担割合(原則事業主と折半負担)も、組合の実情により、自主的に決めることができます。

65歳以上(第1号被保険者)の方の介護保険料は市町村が徴収します(原則として年金から天引きされます)。

調整保険料

全国に約1,500の健康保険組合は、高額医療費の共同負担事業と財政窮迫組合の助成事業(財政調整)を共同して行っており、この財源にあてるため、各組合は調整保険料を拠出しています。

調整保険料率は、基本調整保険料率1.3/1000に、その組合の財政実情に応じた若干の増減率(修正率)を乗じて決められています。

育児休業中の保険料免除

育児休業期間中の保険料は、被保険者本人分だけでなく事業主負担分についても免除されます。

標準報酬月額

50等級に分けて報酬に応じて決定

保険料は、みなさんの給料などの報酬に応じて決められます。しかし、一人ひとりの報酬は一律ではありませんし、月によっても変動しますから、各人の報酬額そのものを計算の基礎にすると事務処理が非常に複雑になります。そこで、一定の幅の報酬に応じた標準額を決めて保険料の計算をするのです。この標準額を「標準報酬月額」といい、現在、月額は最低58,000円から最高1,390,000円の50等級に分けられています。

標準報酬月額は、保険料ばかりではなく、たとえば傷病手当金出産手当金などの保険給付金を算定する際の基礎にもなります。

税込み給与・通勤交通費も合算して計算

標準報酬月額を決めるもとになる報酬の範囲としては、労務の対象として支払われるものはすべて含まれます。給料などは税込の額で、定期券代なども合算して計算されます。

まず、会社に入社したときなど、健康保険組合への加入手続きをするとともに、資格取得時の決定を行います。その後は毎年1回、7月1日にその年の4、5、6月の3ヵ月間の報酬を平均して決め、これがその年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額となります。これを定時決定といいます。

なお、定時決定時期に繁忙期などの理由により、4〜6月の報酬月額の平均が前年(7〜6月)の平均額より2等級以上の差がある場合、別途保険者算定されます。

また、昇給などによって3ヵ月分の報酬を平均した額が、すでに決定されている標準報酬月額と2等級以上の差を生じたときに、翌月から改定する場合があり、これを随時改定といいます。

拠出金のしくみ

前期高齢者納付金

前期高齢者(65歳〜74歳)の給付については、各保険者(健康保険組合等)から受けることになっています。

この給付額については保険者間で不均衡が生じるため、各保険者における前期高齢者の加入率と、全保険者の前期高齢者の平均加入率とを比較して調整が行われます。その結果、前期高齢者加入率の低い保険者は「前期高齢者納付金」を負担することになります。

後期高齢者支援金

75歳以上の給付については、被保険者・被扶養者とも、健康保険でなく「後期高齢者医療制度」から受けることになっています。

この費用は、各医療保険の保険者(健康保険組合を含む)全体で40%、公費で50%、残り10%を後期高齢者が支払う保険料で負担しています。保険者が負担している費用が後期高齢者支援金で、金額は、各組合の加入者数に応じて決められます。

退職者給付拠出金

国民健康保険に加入している高齢退職者(一定の条件を満たす方)の給付については、その被扶養者も含めて「退職者医療制度」を受けることができます。

この費用については、本人の保険料のほかに、各医療保険の保険者(健康保険組合を含む)もその一定部分を負担することになっています。具体的には、その組合の標準報酬総額に一定率を乗じて算出することになっています。これが退職者給付拠出金です。

退職者医療制度は廃止されることが決まっていますが、平成26年度までは経過措置として65歳未満を対象に存続します。

病床転換支援金

慢性期の疾患を扱う「療養病床」について、治療の必要度の低い「社会的入院」を減らし、老人保健施設等へと転換する取り組みが進められています。

これは老人医療費の節約が目的ですが、将来の医療保険財政の安定化につながるところから、健康保険組合も「病床転換支援金」を負担して転換支援を行っています。

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